この国のかたち
1月8日の日本経済新聞・春秋に日本製鉄のUSスチール買収に絡み引用されて、恥ずかしながらその存在を知り先ず第一巻を読破した。買収問題については、夫々の政治的思惑も絡み厄介であるが、長く製鉄現場のシステムを担当してきた立場からすると中国の生産高やシェアを論じる人たちと一線を画す。難易度の高い製鉄技術や環境対策、そして地域を苦しみながら守ってきた釜石や八幡の実績を考えるとアメリカ人のノスタルジーや歴史観とは相容れないと感じるし、製造業における先端性の怪しさを危惧する。又、司馬遼太郎の著作物はその多くを読み、とあるサイトで紹介されている「おすすめ小説ランキング20選」においても7割近くは読破している。小説と云うよりブログ的存在のせいか20選においても20番目に紹介されているタイトル書籍は、時間軸や空間軸を飛び越え筆者の思うままに綴られていることもあり、飽きることなく日本のみならず、その「かたち」に影響を与えた近隣諸国や宗教等楽しみながら読める名著だと思った。