ちょっとした興味が時空間を大きくつなぐ

11月2日の日本経済新聞に『日本近代文学館(東京・目黒)が異色の特別展を開いている。主役は作家ではない。「黒子」であるはずの編集者』と紹介された企画「編集者かく戦へり」にも興味を覚えたが日程的に鑑賞する機会を作るのが難しそうなので、関連図書「伝説の編集者 坂本一亀とその時代」(田邊園子著)を取り寄せて読破した。書籍が息子である坂本龍一の要請で出版されたことにも驚いたが、日本の著名な作家が、この編集者により産まれ・育ったことを知り人と人との出会いの貴重さを改めて思った。その中で興味を覚えた、インドで考えたこと(堀田善衛著)を取り寄せ読破したが、書籍が自身の産まれた翌年のものであるにも拘らず初のインド出張時と変わらぬ風景に、もっと早くに出会いたい書籍だったと思わされた。又、最後の章「おれは生きたい」に前のブログで紹介した鴨長明「方丈記」が引用され、「そのとき、心更にこたふる事なし」に思いがつながったように感じた。

2024年11月14日