海洋国家として
新聞広告(第54回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作)に興味を覚え「黒い海」(伊澤 理江著)を読了した。実話取材ではあるが行政の非開示情報によりミステリー小説ともいえる内容になっている。その理由は未だ記憶に新しい知床遊覧船事故も含め海洋国家として海難事故の調査について手順等確立出来ていないのは、良いも悪いも実態開示の乏しい行政の運営によるところもあるのではと思わずを得ない。又、実際の事故は2008年の第58寿和丸沈没なので海外に赴任していたこともあり記憶に乏しい。ただ、その事故処理に当たった漁船所有の会社社長が現在福島県漁業協同組合連合会 代表理事会長として東京電力福島第1原発で発生する処理水の海洋放出方針に対応する 野﨑 哲氏と同一人物と知ると、行政には海洋国家として、その労苦に報いる対応を期待したいと思う。