熱源
本日、熱源(川越宗一)を読了した。第一刷が2019.8.30で2020.1.15第162回直木賞受賞作なので少し旬を逃した感はあるが、良いタイミングで読み始め色々考えさせられた。フィクションなので何処までが時間軸として合致しているのか定かで無いが、疱瘡(ほうそう)、痘瘡(とうそう)に苦戦するアイヌの姿はCOVID-19に重ね合わせることで、度々出てくる「文明」って何と思わせる。
又、作品が発表された年に制定された「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」を受け、今年7月にオープンしたアイヌ文化発信の拠点としての「民族共生象徴空間」を訪ねてみたいと思った。
フィクションとはいえ実名で登場する二葉亭四迷(長谷川辰之助:1864年4月4日―1909年5月10日)、大隈重信(1838年3月11日―1922年1月10日)、金田一京助(1882年5月5日―1971年11月14日)、南極探検家・白瀬矗(1861年7月20日―1946年9月4日)の織り成す世界は「時間軸」と「空間軸」を考える意味でも面白く、若い頃楽しんだ吉里吉里人(井上ひさし)の東北世界からグローバル世界に視野を広げ楽しませて貰った。
今月には日頃お世話になっているJAXAから野口聡一宇宙飛行士が民間宇宙企業スペースX社により開発された無人宇宙船(クルードラゴン)で商業軌道輸送サービス
(COTS)への挑戦に旅立つ予定で、これからはグローバル世界からSpaceWorldのフィクションを楽しみながら、生きる熱源を貰いたいと思った。