医学を学ぶ人の視点と伝え方
「2025年本屋大賞」候補のニュース或いは新聞下段の広告文に興味を覚えたか忘れたが、『禁忌の子』(山口未桜著)を読み終えた。第34回鮎川哲也賞受賞作は「創意と情熱溢れる鮮烈な推理長編」に応募する新人賞だけあって、中身のある考えさせられる読み応えある推理小説であった。奇しくも今週はノーベルウィークで日本人が大活躍で、本日時点でノーベル生理学・医学賞に坂口志文氏、ノーベル化学賞に北川進氏が授与されている。著者も現役医師らしいが、著書の中で1956年ノーベル生理学・医学賞を受賞したヴェルナー・フォルスマン(今では良く聞く心臓カテーテル法を自らの体を使って実証)を紹介していることが小説内容に重みを与えているように感じた。